こんにちは。望月順子です。
「枕草子」読んだことありますか。
小学生か中学生の時に暗記した第一段「春は曙。やうやう白くなりゆく、山際すこし明かりて、紫立ちたる雲の細くたなびきたる・・・。」
くらいしか知りませんでしたが、読んでみたらめちゃくちゃ面白かったという話です
といっても、古文は読めませんし、現代語訳で中身も簡略化されたもの。訳者が違うとまた雰囲気も異なるようなので、違うのも読んでみたい。
何が面白いかって、雅な宮廷生活の雰囲気が感じ取れるのと、彼女の洗練された美意識と感性と、それを絶妙に言語化しているのがなんともいとをかし・・・なんです。
オシャレで面白い!って感じです
とにかく、ヒマだったんだろうと推察できます。
考えてみれば、時間とお金があり余っているけど、外出もできず娯楽も少なく、宮廷内の狭い世界の日常、権力闘争や足の引っ張り合いが日常のようです。
そんな中で、小さな「美しいもの」「楽しみ」などを綴っている
のがオシャレです。今なら見逃してしまう小さなこと。
「月のいと明かきに、川を渡れば、牛の歩むままに、水晶などお割れたるやうに水の散りたるこそ、をかしけれ。」
「牛のあげる水しぶきが月明かりに当たって水晶のようにきらめくのが美しい」ということを帰宅してから文章にするというのがまたオシャレです。
こういう感覚は全部を通してなんですが、結構辛辣な言葉も多くあり、読みながら吹き出してしまいます
面白いと思うものを部分的に抜粋してご紹介します。
「確かに!!」となるものとか、今なら「炎上必至!」なものが面白い。
↓下々の者には月明かりが似合わないとか・・・
似合わないもの。
下々の家に雪が降っている景色。
また、そうした家に月の光が明るく差し込んでいるのも、せっかくの月が台なしだ。
歯のない老女がウメを食べて酸っぱがっているの。
身分の低い女が女官をまねて紅の袴をはいているの。
めったにないもの。
姑に褒められる嫁。
主人の悪口を言わない使用人。
女同士で親しくしている人で、最後まで仲がいい事。
見苦しいもの。
お客の前に子供を背負って出て来たの。
色の黒い不器量な女と、痩せこけた貧相な男とが昼間から添い寝しているの。そんな顔を昼寝して起きた時に男女お互いに顔を見合わせた時は死んだ方がまし。
さまにならないもの。
人妻がつまらぬ焼き餅を焼いたりして雲隠れしたのを、夫がきっと大騒ぎして探すだろうと思ったのにそうでもなく、癪にさわるほど平然としているので、いつまでも家をあけてもいられず、自分からのこのこ出てきたの。
癪にさわるもの。
くだらない人がさかんに喋っているの。
ばつが悪いもの。
他の人を呼んだのに、自分かと思って出てしまった時。
物などをくれようとする時だったりすると、なおさら。
誰かの悪口を言っている時に幼い子供がそれを聞いていて、当人がいる前で言い出したとき。
品のないもの。
法師の太ったの。
むさくるしいもの。
刺繍の裏。
ネコの耳の中。
どうということもない人が、子供がたくさんいるの。
たいして愛していない妻が、調子悪く寝付いているのも夫の気持ちとしては鬱陶しいこと。
幻滅するもの
下品な言葉もみっともない言葉も、そうと知りながらわざと言うのは、悪くはない。
普段使いなれた言葉を隠しもせず言うのは、あきれたことだ。
格別気にもされないもの。
他人の母親の年。
うれしいもの。
憎たらしいやつが酷い目にあうのも、罰が当たるかもと思いながらはやりうれしい。
面白いのはありましたか?
「刺繍の裏」とか出てくるのが面白いですよね!
私もひとつ・・・
見苦しいもの。
プラスチックのお箸と器。
私が読んだのはこちら。
古文と現代語訳と解説が載っています。
うっとりする世界です
上記にも抜粋しましたが、これは掘り下げたいのでまた改めて書きたいと思います。
幻滅するもの
下品な言葉もみっともない言葉も、そうと知りながらわざと言うのは、悪くはない。
普段使いなれた言葉を隠しもせず言うのは、あきれたことだ。